市街化区域に有る農地への「宅地並み課税」は不当です。倉敷市の市街化区域では、農地の税金が年間10a(1反)あたり10万円が平均で、私が稲や小麦を栽培している田圃は年間20万円も課税されています。稲・小麦自給の農業経営は、肥料・農薬代、農機具等の償却、そして固定資産・都市計画税を年金で補わなければ回らない完全な赤字経営です。
そのような非効率で赤字なら、農業経営はやめよ、と言う声もあります。しかし、日本の乏しい食料自給の一翼を担うとともに、賃金が上がらない、収入の良い仕事も見つからない状況下の、子どもや孫たちの生活を支えるためにも、石にかじりついてもこの道を進まなければなりません。
今年は固定資産税の評価替えが行われ、倉敷市の農業を考える会でも取り組みが行われました。土地の評価が高すぎるとして、不服審査請求を行った人がいます。市街化区域で、すぐには宅地化できない(道が無いなど)農地の場合、「宅地並み」の「みなし課税」の不当性が際立ちます。不服申立が認められ、減税された例も出ています。
農地の税金は、市街化区域の中でも格差があります。10a(1反)あたり1万円以下のところから、5万円程度、平均が10万円で20万円のところ、最高40万円となっています。市街化調整区域では、農地の税金が10a(1反)あたり3千円程度です。50戸連担で宅地化可能に規制緩和されたことで、市街化区域か否かで担税が100倍以上の格差に拡大し、不公平だと不満の声が上がっています。
そもそも農地は農家にとって生産手段です。「宅地並み」に「みなし課税」することが不当です。しかし、すぐには国の法律(地方税法)が変わらない下で、地方自治体が農地課税の軽減策を講じることが求められます。昨年9月に倉敷市長に11,000名超の署名を提出しましたが、前向き回答は出されていません。
今年8月に農水省の「都市農業振興に関する検討会」中間取りまとめでは、都市における農地、農業を守るとし、市街化農地の「宅地並み課税」を問題視しています。こうした新しい情勢の下で、倉敷市の農業・農地を守り、生活安定を求める運動を進めなければなりません。「倉敷市の農業を考える会」運動の意義はこれから発揮されることでしょう。
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