新型コロナ被害拡大の中、風水害ダブル被害で、避難の方法と場所が問題になっています。防災行政は「ハザード・マップ」で地図化された「堤防決壊による浸水被害想定区域」に基づき、それ以外の区域に避難せよ、と言います。また、新型コロナ被害拡大中は、避難場所が「三密」になるので、それ以外の親戚・知人宅に避難せよ、と言っています。しかし、他所に避難するにも、その行き先が無い、移動方法が無いか、困難な人はどうすればよいのでしょうか。行政がやるべきは、居住所の近くに「三密」にならないスペースを持った「避難所」を造ることではないでしょうか。例えば500世帯毎に、1カ所以上の避難所を、病院・学校・公共施設等も兼ねて造っておく等、街づくり施策の拡充と共に、住民の助け合いを強める住民自治行政が求められます。かつて農業社会が持っていた、村の自治・助け合いを現代に生かすものです。
風水害問題では、自然を利用して文明を築いて来た人類にとっては、自然の猛威から生業と命を守ることは当然成すべきことで、車の両輪と捉えていました。しかし、資本主義生産に入ると、大規模な自然利用(生態系を含む大規模破壊・改変)、鉄とコンクリートによる恒久都市空間づくりに対して、「自然からの逆襲」のような現象として、洪水・大規模浸水・インフラ破壊等が起きて来ました。今回の新型コロナは、生態系破壊で人類に入り込んだウイルスによるものであり、人類の交通・交流拡大により半年で1千万人超の感染拡大と云う世界的流行が、人口過密の都市においては特に、終息が見通されません。
コロナ終息後の人類が、何を教訓として残し、社会をどう変えて行くのか、これからの課題です。しかし、風水害問題では、地球温暖化防止で異常気象の発生を抑えることと共に、鉄とコンクリートによる恒久都市空間づくりを見直し、水の循環と共生する、持続可能な人間都市の構築が早急に求められます。観測網強化及びAIやコンピューター活用で、河川水などの水門自動制御及び、地下放水路・多目的広場遊水地等新たな貯水・排水施設建設を含む、総合治水対策が必要ではないでしょうか。
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