ロシアのプーチン大統領がウクライナ領土内にミサイル攻撃や戦車部隊投入を始めました。それに対する人々の反応の最初は、今の時代にこんな野蛮なことがあってよいのか、あってはならない、と云うものでした。プーチンの言い分は「ウクライナがNTO軍事同盟に参加すればロシアへの脅威」として、ウクライナの主権を踏み躙ってロシアが一方的に併合した州等の軍隊と共に侵略戦争を始めたのです。
これに対して、ウクライナのゼレンスキー大統領は、徹底抗戦を宣言し、近隣のヨーロッパ諸国・世界に対して、軍事支援を含む支援を要請し、ロシアには即時停戦を呼びかけました。日本の国会でも大統領演説がオンラインで行われ、戦争被爆国であり福島原発事故を経験した日本には分かる筈と、チェルノブイリ原発事故跡地を占領したロシアの蛮行を厳しく告発しました。最も痛切な訴えは、各国主権・平和を守る事が出来るよう国連改革を、です。
日本では、自民党、維新などが「国連は無力」「日本の憲法は無力」などどして、軍備増強、日米軍事同盟での「核共有」を唱え出しているとき、「軍事力対軍事力」や「核抑止論」こそ破滅的戦争回避には「無力」あるいは「有害」ですらあります。闘いの真っただ中で平和の理想を見失わないゼレンスキー演説に深く感激し、ウクライナの闘いへの連帯・支援を誓うものです。
それにしても、ロシアがやっていることは、第2次世界大戦中に日本がやったことと同じです。曰く「満蒙は日本の生命線」として満州事変を起こし、非武装地帯をつくり、「満州国」傀儡政権をでっち上げ、続いて、華北、華中にも傀儡政権をつくりました。また、ロシアはウクライナを兄弟国と云い、ウクライナの領土を切り取り勝手にしようとしています。これも戦前の日本軍国主義が「五族協和」と云ったり、「大東亜共栄圏」と大風呂敷を広げた上「聖戦」をブチ上げる一方、国内は言論統制から治安維持法弾圧までの暗黒政治体制を強めました。
それまで第1次大戦後「不戦条約」が結ばれ、国際連盟が造られながら第2次大戦を阻止できなかった反省に立ち、第2次世界大戦の終結後、国連が造られ、各国主権の尊重を規定した国連憲章が制定され、また、日本の憲法にも「戦争放棄」の項目が入りました。「戦争の違法化」、戦争犯罪が規定され、惨禍を防ぐ取組みである、国連人権高等弁務官事務所などの機構が整備されました。
ウクライナ情勢はまだロシアの戦争が所を変えて狂暴化する面を残しながら、世界世論がロシアを追い詰め、ロシアの拒否権発動で常任理事国機能不全の中、「ロシア侵略の国連憲章違反決議」が国連加盟国193中141国(7割超)の賛成で決議されるなど、平和の取組が前進しています。
すべての国が、国連憲章違反との声を上げ、ロシア軍の停戦・撤退を実現しましょう。第2次大戦の反省に立った日本国憲法をもつ日本が、この平和実現に力を尽くすことこそ、2000万人を殺戮し、自らも310万人の犠牲を出した戦争責任の現代的課題です。これ以上、人類は戦争してはいけない、まして、核戦争で人類も地球の消滅させるようなことは絶対にいけない、核戦争を阻止することが人類最高の行為であり、それを世界の人々の連帯の力で成し遂げようではありませんか。
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