しんぶん赤旗16日付に「福島原発にあった放射能の総量は?」「どれくらい放出されたの?」「海の汚染もひどいけれど」として、知りたい情報が載りました。
震災直後から、放射性物質の放出があったことが、1ヶ月ぐらいしてから政府発表されました。そして、その量が非常に多いことで、「レベル5}から、最悪の事故「レベル7」に引き上げられました。OO京(ケイ=1兆の1万倍)ベクレルあるいは、OO万テラ(1兆)ベクレルなどという、桁外れの量が放出された、と言うのです。
チェルノブイリの場合でも、ソ連政府の検討を経て、520万テラベクレルの放出量が公表されています。福島原発1~6号機全体の、使用済みを含む燃料棒の放射能総量は7億2千万テラベクレル。いまのところ、大気中の放出分が原子力安全委員会推定で63万テラベクレル(経済産業省の保安院推定は37万テラベクレル)と、チェルノブイリの約10分の1と言われています。
しかし、海水中への放射性物質(放射能量)放出を加えれば、放出量はさらに増大します。「チェルノブイリより放出量は少ない」と、「安全神話」を振りまく前に、放出量全体をキチンと公表すべきです。
問題は、放出放射能量が測定されたものではなく、燃料棒の損傷率等からの推定でしか分からないことです。放射能漏れ・放出量の測定装置が設置されておらず、拡散した後になってから、OO万テラベクレルとかの大量の放射能放出が知らされるという構図に、やりきれない思いを抱かされます。
水島コンビナート企業による大気汚染で、煤塵測定を行わず、虚偽報告で住民を騙し、公害防止協定などに違反して被害を与え続けていたことが明らかになりました。ここでも、粉末状原材料等堆積物を、風などによる飛散を防止する施設に入れ、飛散量を測定する装置が必要なのに、そうなっていません。煙突からの煤塵等排出物測定すら経費削減でやらないのはもっての外です。
現行煤塵測定では、すでに拡散し住民に被害を与えていることが前提になっています。放射能被害も、これと同じ扱いになっているのではないでしょうか。住民に被害を与えてから放射能放出量が公表されるのでは遅いのです。
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