倉敷市はもともと大高村、万寿村など干拓農村と、江戸末期の封建経済で富を得た、大橋家、大原家など町衆の共同体「倉敷町」との合併都市としてスタート。明治の資本主義勃興期、大原孫三郎など社会事業(福祉事業)に熱心な資本家が倉敷町を造りました。
孫三郎の長男、大原総一郎は若いころドイツで「ライン同盟」に触れ、高梁川流域連盟をつくりました。雑誌「高梁川」を発刊し、流域の文化発展に貢献しようと努力されました。
今、伊東香織倉敷市長が、高梁川流域の市町村を「中枢都市圏」に入れ、圏域から人口流出を起こさせないよう、倉敷を中心に都市機能を一極集中させ、小型の「東京都」にする「地方創生」、その優等生になろうとしています。
資本主義勃興期の都市と、金融資本主義とか株式資本主義と評される現代資本主義(新自由主義)とは似て非なるものです。社会について、儲けのために利用はしても、社会事業に利益を還元するなどは考えられないのが現代です。資本家同士の生存競争が激烈となり、自然を無視し、人間社会まで無視する、利潤第一主義に陥っていると思います。
高梁川流域連盟と、高梁川中枢都市圏とは、似て非なるものではないでしょうか。平成の大合併は、地方交付税増額のアメで町村を追い立てて強行されました。中枢都市圏構想は、市町村名は残りますが、中枢都市への交付税集中が行われ、合併のときよりも格差拡大は避けられないのではないでしょうか。、県政を空洞化させ、道州制に移行させ、民間(大企業)主導の行政にしようとの狙いが透けて見えます。、
その中で、激しく進行しているのが、地域の崩壊、自治体消滅です。これは自然現象でなく、合併がもたらした人災、政治災です。これを克服する道は、中枢都市圏や合併でなく、自治体分割(合併を戻す)あるいは、自治区の設定などの検討で、自治の復権だと思います。
最近のコメント