革命と言えば、ロシア革命、レーニンが連想され、兵士と労働者の蜂起、流血の政治闘争を伴う、暴力(強力)革命と言った景色が浮かんできます。
日本共産党は、ロシア革命、中国革命を手本にせず、民主主義革命を目指しています。敢えて「革命」と称しているのは、アメリカ言いなり・財界大企業優先の政治グループ(自民党など)が握っている権力を、平和と民主主義を求める国民多数の統一戦線グループが選挙で勝利し、権力移行を実現するからです。
では、今回日本共産党が提唱している、野党の選挙協力による「戦争法を廃止し、立憲主義、民主主義を取り戻す」国民連合政府は、民主主義革命とは呼べないのでしょうか。
衆・参両院選挙で国会の過半数を獲得し、「戦争法(安保法制)の廃止法案」を議決し、かつ、国民連合政府をつくって集団的自衛権容認の閣議決定を廃止することです。そこまでしたら、衆院解散総選挙を行う、と言うのが日本共産党の提案です。
革命ではなく、よりましな政府構想であり、戦争か平和かを問い掛け、立憲主義を堅持する政府です。革命は権力獲得なのに対し、国民連合政府では、戦争法・安保関連法制の廃止を具体的な任務とするもので、国民の多様な要求を元にした、民主主義革命への統一戦線はまだこれからです。
統一戦線をつくる上では、革命論が決定的です。冒頭に書いた、ロシア革命などのイメージでは国民には受け入れられません。民主主義革命は、選挙を経る多数者革命であり、革命反対の政党の活動や言論の自由が全面的に保障されるものでなければなりません。もちろん三権分立、立憲主義は厳格に守られなければなりません。
市民的自由や政治的自由、市民的民主主義や政治的民主主義が花開くことを民主主義革命と呼び、これが権力獲得無しに実現すると考えるのは、実践無しにユートピアを描くことになるのではないでしょうか。
国民連合政府という呼称が、民主連合政府を連想させると言う人がいます。国民連合に入ったら、民主連合へと引っ張っていかれる、と危惧しているのでしょうか。それは違います。戦争法廃止のための野党協力であり、集団的自衛権行使容認を廃棄する政府構想だからです。
ただ、この国民連合は、戦争法廃止、立憲主義・民主主義を守るという国民的大義を中心にしたものであり、昨年衆院選で沖縄1,2,3区完全勝利のような実例もあり、世論が大きく動くことは確実です。
国民連合を阻止しようとする動きや、共産党が提唱したり、参加することにイチャモンをつける動き、反共攻撃は必ず出てきます。国民的大義の旗を高く掲げ、戦争法案廃案!と盛り上がった国民の声と運動に連帯し、理性的にしかし、情熱を込めて国民連合を訴えていきましょう。
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