革命論では、資本主義の枠内での、民主主義革命とともに、社会主義・共産主義への社会発展も、革命と呼ばれます。 しかし、それは権力の移行とは趣が異なることをマルクスは「未来社会論」で解明しています。
「社会主義を実行した」「共産主義に入った」などと、スターリンなど旧ソ連の指導者たちが言ってきましたが、「似て非なるもの」で、実態は、ヒットラー独裁と変わらない人民抑圧の専制政治であり、そのためソ連邦は崩壊したのです。
日本共産党は、その名前が示すように、未来社会を「社会主義・共産主義」と見通し、そこへの社会発展を目指します。民主連合政府と統一戦線勢力が、アメリカとの軍事同盟を廃棄し友好条約に替え、財界・大企業を民主的に規制し、国民の生活と権利が向上・前進する中で、人間の全面発達のための条件が広がってくると考えています。
マルクスの言葉を借りれば、「労働の奴隷制[資本主義的生産ー不破]の経済的諸条件を、自由な結合的な労働[共産主義的生産ー不破]の諸条件によって置き換えることは、時間を要する漸進的な仕事でしかありえないこと、そのためには、分配の変更だけでなく、生産の新しい組織が必要である」
不破哲三社会科学研究所長著「科学的社会主義の理論の発展」によれば「資本主義のもとにある『社会的生産経営』は資本の指揮下にあり」「資本の支配と結びついた規律であり、これをマルクスは『奴隷制のかせ』と呼び」「この体制をそのまま引き継いだのでは、生産手段の所有が資本から別のものに変わったとしても、自由な生産者の共同といった関係は生まれません。自由な生産者が対等平等の立場で協力し合う『社会的生産経営』をつくりださないと、共産主義社会の基礎となる新しい生産体制はできない、そこにマルクスは注目しました。」
資本主義から社会主義・共産主義への移行には、生産手段が資本家階級占有の状態から、社会全体のものへ、社会化することが必須条件と言われますが、その内実は、自由な結合的な労働による、人間解放の社会へと進むことにあります。
資本主義から社会主義・共産主義へは、民主主義革命の下で、生産現場の主人公である、労働者・生産者国民が成長し、自然と社会の発展の先頭に立つ人間となる、という展望が開けます。しかし、それは、人間の実践・努力無しには出来ない。これは革命論です。
自衛隊海外派兵、戦争・戦闘の日常化、産業・経済の軍事化、軍国主義教育など、危険なアベ政治をストップさせる共同を構築するために、今革命論が問われているのではないでしょうか。、
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