ここ3年間、近所の田圃が売られ、宅地となり、家やアパートがどんどん増えてきました。昨年4月[都市農業振興基本法」が国会議員立法で全会一致議決され、この5月の閣議決定により、各自治体では「都市農業振興基本計画」の策定が義務付けられます。
しかし、その前に、農業後継者が無く高齢離農し耕作放棄地となったり、農地が宅地に変わったり、農業そのものが消えていくのではないか、とさえ感じられます。この原因が、1968年新都市計画法による、市街化区域の線引きで農地に宅地並み課税が課されるようになったことがあります。
しかし、「宅地並み課税」の実施は3大都市圏に限定され、そこでは農民の運動により「生産緑地指定」などでの「農地並み課税」が実現し、全国的な反対運動は分断されました。一方、地方都市では、少しずつ宅地課税に近づける、として農地並みの低い課税でスタートし、「負担調整措置」の名で毎年10%程度ずつ固定資産税が上げられました。
倉敷市の場合、水島コンビナート大企業誘致で、農地を大量に宅地化しようとした際、「調整区域では農地が売れない」と言われ、多くの農家が「市街化区域」を希望し、市街化区域面積が他都市より広大になりました。その中に、連島のレンコン、福田のゴボウ、大高・中島の野菜などの産地がありましたが、土地区画整理事業など都市化されたところから、宅地並み課税の重税に耐えられず、農地の売却・宅地化が急速に進行しました。
宅地並み課税の問題点は、宅地の売買価格の高いところにある農地は固定資産税が高く、売買が余り無い宅地近辺の農地は、市街化区域であっても、固定資産税が10分の1、20分の1と安く格差が大きい。「宅地並み」の農地課税は、宅地価格で農地固定資産税を見なし課税する最悪の税制ではないでしょうか。今回の「都市農業振興基本法」に逆行すると思います。
一方、市街化調整区域など農業振興地区でも、自民党による、農産物輸入自由化など国内農業つぶし、農業などからの労働力追い出し、農機具・農薬肥料・種苗等の独占的高価格などの政策によって、「コメ作ってメシ食えネエ」と、農業後継者が激減し、高齢農業を放置しました。
また、農業の継承者として、定年又はその前の帰農、若者の就農などが奨励されていますが、既存農業者又はその後継者しか農地拡大が出来ず、農地の無い就農希望者を拒否する制度も検討(農地保護、自作農主義を守りながら)が要るのではないでしょうか。
「安全な食料は日本の大地から」をスローガンに、都市農業振興基本法に基づく、これまでの制度見直しに、多くの意見を寄せ合い、国民的議論を興しましょう。
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