9月9日台風15号では、千葉県で、強風被害・東京電力大規模停電等により最大100万戸近くが被災しました。しかし、政府全体の対策本部は未設置のままです。東京電力は、東日本大震災での、福島原発炉心溶融事故で多大な被害を住民に与え、今回は大規模停電で、多大な被害を住民に与えました。大企業の社会的責任、国など行政の責任を問う世論が高まる中、大企業への指導・監督を国は放棄しているのではないか、疑問が生じています。
そもそも、「自然災害」は、そこに人間が住んでいるから「災害」となる、と言われます。ゼロメートル地帯、土砂崩れ地帯など、水害常習地域にも人間の活動範囲が拡大したことで、洪水・浸水、がけ崩れ等災害が多発しています。行政が行う「都市づくり」で、ハザードマップの危険が対策無しに放置され、電柱、鉄道、航空など大企業所有の大規模施設が停電、不通、運休等、様々な社会的「災害」を生んでいます。大企業が利潤獲得競争で社会的責任を放棄し、国など行政が、国民・住民の生命・財産を守る責任を放棄したとき、災害が極大化するのではないでしょうか。
倉敷市の都市づくりでは、水島コンビナート労働者の社宅、持ち家が倉敷市全域に広がる中、周辺町村の地域開発として宅地急増が図られました。今回の水害では、ハザードパップ通りの被害が現出し、旧真備町庁舎(真備支所)や消防署が水没して機能不全。倉敷市庁舎の対策本部は出先を持たず、これも機能不全。こんな無責任な防災行政はありません。
防災と復興への対策は、国民・住民の要求に基づくものでなければなりません。伊東倉敷市政が「真備町豪雨災害の原因究明しない」「災害対応の第三者検証しない」としていることは、市民を無視するもので、まず身近な自治体から被災者住民の声を上げて行く点でも、最悪の行政です。そもそも真備町水害の地形的要因は、小田川・高梁川合流点が真備町にあり、小田川及び高梁川支流の成羽川が、吉備高原西部の広島県東北部からの広大な流域降水をそこに集積させるからです。昔から知られているこの地形要因に対して、平成合併で同町編入した倉敷市がどう認識し、対策をとっていたかが問われているのではないでしょうか。
「災害」での、国などの行政責任、大企業の責任を問うことで、真の防災、復興への展望が開けるのではないでしょうか。
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