東日本に甚大な被害を与えた台風19号風雨水害において、埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」(地下神殿と呼ばれ観光地にもなっている)が、中小河川の増水を引き受け街を守った、とマスコミ報道されました。国土交通省関東地方整備局は、深さ50mに直径10m、延長6.3kmの地下トンネルを構築し、中小河川5か所の立坑から導水し、満杯になると3~4台の排水ポンプで江戸川へ向け1218万㎥を放流した、とされています。
堤防決壊を知らせなかった、救助ヘリコプターから墜落死させる等行政の失態が生起する中、水害から街を守ったと称賛されています。これは、国土交通省による、流域全体の保水力、遊水力補強を目指す「総合治水対策」によるものです。低湿地帯では、どうやっても水が捌けないで溜まるばかり、最後の手段が「地下放水路」となり、総工費2300億円、完成までに13年かかったとされます。
今回の東日本風水害で52もの河川決壊・越流が起こり、5000件を超える家屋被害、広範な農業被害、90人超もの死者行方不明者を出しました。台風が強く、大きかったとしても、それだけの被害を出したことは、国土と国民の生活を守る政治が実行されていない、と捉えなければなりません。「首都圏外郭放水路」のような「総合治水対策」を全国に広げることが緊急に求められていると思います。
交通機関マヒ、停電、断水など2次被害を防ぐことも、それぞれの企業、行政の責任で実行しなくてはなりません。台風襲来は自然現象として避けられなくても、2次被害を国民に与えないよう努める責任があります。企業が社会的責任を果たすことを、国の責任として求めて行くべきです。行政、専門機関、大企業が国土と国民を守る行動に直ちに着手することを要求して行きましょう。
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