東日本大水害は、死者・行方不明総数が80名を超え、90~100人に及ぶ犠牲者を生む可能性が出ています。そのほとんどが高齢者で、1階で水死という悲惨な状況です。こんな悲惨な状況を生みながら、行政や専門家の言い分は「避難せよ」の1点に集約されています。河川工学の前野詩朗岡大教授は「堤防は守ってくれるものではない」「避難の時間稼ぎのためのもの」(山陽新聞10月16日付)と言い切っています。西日本豪雨災害で60名を超える死者を出した真備町水害に対して、前野教授は「小田川ジャングル雑木が増水・越流の原因かどうか調べてみないとわからない」と表明し、ジャングル雑木伐採を要求してきた住民から批判を浴びました。
伊東香織倉敷市長は、真備町水害に対して「原因究明しない」「市の行政対応の第三者検証しない」とゼロ回答しています。被災住民の要求、思いに寄添った行政、専門家の調査・検証を求めているにもかかわらず、冷たい対応で自己保身的ではないでしょうか。こうした行政・専門家を乗り越え、安心・安全な国土と生活を確保する闘いが求められます。
台風や前線による強風・大雨は自然現象(地球温暖化が原因でもある)ですが、水害、交通・通信マヒ、停電などは人災ではないでしょうか。これらの原因究明・対策を探り、災害を無くす努力をまず行うことが求められるのではないでしょうか。それ無しに、行政・専門家が「避難せよ」と言うのは責任放棄ではないでしょうか。
そもそも避難場所と交通手段が、行政・専門家によって、住民一人ひとりに明示され、安心の避難行・避難生活が確実に予測されれば、言われなくても住民は自主避難するでしょう。「垂直避難」は「避難」に入らないことは、足が弱い人が犠牲になっている状況から明らかです。「逃げ遅れ」でしかないのに「垂直避難」と言うのは、安心・安全な所への避難指示の責任を放棄するものではないでしょうか。
行政・専門家は、国民に安心・安全な国土と生活を保障する責任がある、と明確化することで、真の防災が始まります。それに協力して住民は、自らも努力し、国土と生活を守って行くと考えます。
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