阪神大震災25年目の兵庫県内災害復興住宅で、高齢化が進み孤独死1172人、ボランティアの見守りも限界と報道されました(2020.1.18山陽新聞)。神戸市から20年での強制退去を不服として裁判闘争も起こされ、自身の生活が「復興していない」とアンケートに答えた人が44%もいます。19年目の東日本大震災で高齢被災者の状況は、阪神より厳しい、との見守りボランティアの声が報道されました。
3年目の西日本豪雨被害者、2年目の東日本台風等被害者は、復興住宅も未だ無く、災害復旧まだ途上、防災・減災対策は「避難」のみ。もし今年も同様の豪雨・台風があれば、同様被害の惧れがあり、住宅再建に躊躇する被災者は多い。悩みが様々ある、健康を害した、など困り事相談・訴えが続きます。「人間の復興」が求められています。
東日本大震災で被災した、宮城県と岩手県の知事の姿勢は対照的です。村井嘉治宮城県知事は「創造的復興」を唱え、安倍政権「国土強靭化」の下で、巨大防潮堤など大土木事業、規制緩和で「水産特区」に県外企業を参入させています。これに対して、2019年野党共闘で4選目勝利した達増拓也岩手県知事は「憲法13条幸福追求権に基づく復興」を掲げ、復興策として「医」「食」「住」「学ぶ機会」「働く機会」の確保を上げています。被災者医療費負担ゼロ制度について、宮城県は2年間の国支援打ち切りと同時に廃止したのに対して、岩手県は、今日まで負担ゼロを維持しています。
以上は『日本の科学者』2020年1月号で綱島不二雄元山形大学教授が書かれたものを参考にしました。さらに、97年前の関東大震災に際して、東京商科大学福田徳三が、発災2週間余で家屋再建が進む光景に接し、復興にかける被災者の思いの保障こそが第一と実感したもの、として「人間の復興ーー営生機会の復興が第一、道路や建物は、この営生の機会を維持し、擁護する道具立てに過ぎない」との言葉を紹介しています。
2018年7月豪雨時の真備町等水害に対して、原因究明も、倉敷市の災害対応に対する第三者検証も拒否した伊東香織倉敷市長に対して、被災者自身が署名運動を広げ、国保窓口負担ゼロ継続を要求し、6カ月延長が実現しましたが、岩手県知事のように、必要な期間延長を求めて行きましょう。それが「人間の復興」ではないでしょうか。
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