大学生は、4月以来教室授業が無く、オンライン授業のみで、授業料はとられる、と言われます。8月19日発表の立命館大学新聞アンケートでは、「退学を視野に入れて考えている」9.8%、「休学を視野に考えている」25.6%と、勉学・学生生活をあきらめざるを得ない、深刻な実態が明らかになりました。
学生アルバイト先も急減する中、政府の「住宅確保給付金」も、「学生は対象外」と自治体の窓口拒否事例が起きています。大学教員はオンライン授業にかなりの時間を取られる割に学生には不評で、退休学理由の大半を占めることが明らかとなっています。さらに、大学・高校の寮生活で集団感染者(クラスター)が100名近く発生するなど、次々と危険な共同生活実態が露になっています。
若者たちは、教育と経済両面で苦しめられた上に、新型コロナ感染拡大で、途方に暮れているのではないでしょうか。この実態を社会が直視し問題解決に直ちに取り組むべきです。
4月入学の新入生にとって、同級生も先輩、先生も知らないで、オンライン授業で勉強せよ、と追い立てることが教育なのか、大疑問ではないでしょうか。また、来年4月卒業生の就職先について、8月18日現在36%の企業が採用決定ゼロです。雇用情勢はコロナ関連解雇4.5万人で、解雇者数は製造業、宿泊業、小売業飲食業と続き、若者にとって、社会は自分たちを必要としない、歓迎しない、と感じてしまうのではないでしょうか。
高校以下の子ども達についても、少人数学級編成で、感染防止の教育環境が早急に求められますが、同時に、自分たちが、社会から大事にされ、守られている、という実感を以て学校生活を送っているでしょうか。この点で、世界保健機構(WHO)が親に対して,新型コロナ禍の子ども達の不安を取り除く6か条を発表。①子どもと1対1の時間をつくる②親が前向きに物事をきちんと伝える③新しい日課(ルーティン)をつくる④子供が「悪い子」になったら一呼吸置く⑤落ち着いてストレスと向き合う⑥新型コロナについて正確な情報を話す、としています。
WHO提言のような対応が、「親が子どもに」だけでなく、また、義務教育だけでなく、高校・大学・専門学校等の中等・高等教育においても、必要ではないでしょうか。今、若い人に「自己肯定感」が乏しい、と言われます。親や教育機関が、子どもや若い人に、理性的で信頼感をもった対応をするよう、コロナ危機が警告を発していると感じるのは私だけでしょうか。
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