水は河川と海だけにあるのではありません。空気中には気体の水蒸気が存在し、浮遊する水滴と氷粒は雲・霧等と呼ばれます。地中にも土壌成分として水があり、植物・動物の体内には、水が大量に蓄えられています。高地や山に降った雨が、表流水として低地に向かって流れ、河川となりますが、その周辺には伏流水が生まれ、また、地下水が涵養されます。これらに海を加え、陸上氷河を入れて水圏と言います。
この水圏運動が、気象現象であり、海洋現象であり、河川流水現象です。この3現象が、人間の生活・生産活動にマイナス影響を及ぼすとき、それを災害と言います。人間以外の動植物の場合、3現象は、自然現象として不可避的に起き、それへの対抗策は「逃げる」「避ける」しかありません。しかし、人間の場合は、「逃げる」「避ける」だけでなく、その現象に立ち向かって、生活・生産活動を守ろうとします。
ところが、水圏運動が大きく、強く、人間の防御を上回って襲い掛かってくることがあり、「逃げられない」「避けられない」で災害として現れるのです。さらに近年は、地球温暖化、都市化等、人間が自然を破壊した結果として、豪雨激甚水害、感染症世界的拡大などを誘因する、謂わば人災が多発するようになりました。即ち、自然との調和・共存を目指し、人間社会を改造することで、防災・減災を進めるのです。
政府や地方自治体、行政が国民に対して、水害では「避難せよ」コロナ禍では「家から出るな」と矛盾した言い方で、「自分の安全は自分で」と自己責任を押付けています。こんな社会を変えようではありませんか。防災行政では、避難所と避難手段の用意をさせ、抜本的防災対策への転換を。コロナ感染防止では、感染者後追いでなく、面的検査拡充で感染者を保護隔離する、真の防疫行政に転換を。
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