ウクライナへのロシアによる武力威嚇・攻撃・侵略戦争を止めさせることは、核兵器廃絶と共に、武力威嚇・攻撃・侵略戦争を廃絶する世界への道ではないでしょうか。この道は、第1次、第2次世界大戦を通じ、特に、第2次大戦後創られた国連及びその下で、仮想敵を持たない、すべての加盟国間の「集団安全保障」をうたった国連憲章が目指すものです。
どんな理由(しばしば自衛の名が冠せられる)であれ、武力行使による他国の主権侵害は国連憲章違反です。ロシアがウクライナを「兄弟国」とか「旧ソ連邦」とか言っても、武力でそれを押付けることは国連憲章違反であり、旧ソ連のスターリンやロシア帝国時代に現れた覇権主義以外の何物でもありません。
ウクライナへの侵略戦争が2カ月を超えました。国連発表で、500万人国外避難、国内避難710万人、ウクライナの4分の1以上が避難民となり、これを知った世界の人々から「ロシアは侵略戦争止めよ」の声が強まることはあっても、弱まることはありません。民間人の被害を減らすために「ウクライナは抵抗を止めたら」と云う声が出ています。しかし、ロシアの横暴を許したら次の標的はどの国か、と戦々恐々の周辺諸国にとって、ウクライナの闘いは、自分たちの戦いでもある、と感じているのです。
日本では、自民・公明に加え、維新、国民民主が翼賛政治を強めています。国連は無力、日本は憲法9条を変え軍事力を増やし敵基地攻撃能力を持て、と大合唱を始めました。ゼレンスキーウクライナ大統領がオンライン国会演説で述べたのは、アジアで最初に支援を表明したこと、プーチンロシア大統領の核兵器使用恫喝に対し、原発事故のチェルノブイリが立地するウクライナと、福島原発事故を体験し戦争被爆国の日本との、共通する核兵器使用への強い抵抗感ではなかったでしょうか。
また、日本にとって、ロシアとは領土問題等を抱えており、ウクライナは他人事でない面があります。「北方領土」と云われる歯舞・色丹・国後・択捉4島を含め全千島が国際条約による日本領土であるにも拘らず、旧ソ連スターリンの覇権主義によりロシアが実効支配しています。この度、日本がウクライナ支援したことに反発したロシアが歯舞・色丹への旧島民墓参入島を禁止しました。また、ロシア軍用艦が、公海と規定された津軽海峡を通って、日本列島横断を平然と行っています。これは、無断・非公表でアメリカ原潜通過を可能にしてきた、アメリカ覇権主義の遺構なのです。こうした千島問題、津軽海峡公海化など、第2次大戦戦後処理でのカイロ宣言「戦勝国領土拡張しない」違反の歴史の是正が後世に残されています。
今こそ平和の国際秩序づくりを目指し、仮想敵をもたない、包括的安全保障体制を、ロシア、中国、米国等を含む東アジアサミットの延長線に構築して行く時ではないでしょうか。アメリカ覇権主義のベトナム戦争では、軍事対決した東南アジア諸国がその後東南アジア友好協力機構「アセアン」を結成し、毎日3か所以上の会議まで行って、紛争を戦争にしないよう取組んでいます。
日本軍国主義が80年前までやってきたことが、ロシアのウクライナ侵略戦争で再現されているのではないでしょうか。覇権主義で軍事力行使した日本、それに抵抗した朝鮮・中国、アジア太平洋地域の人々、ロシアが侵略戦争を止め、ウクライナを世界が助ける、ウクライナの犠牲的闘いがその結果を生み出すよう、力を合わせましょう。
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