若者の失業率(就職後短期での離職者、非正規雇用を含む)が高卒68%、短・4年制大卒52%、との驚くべき数字が発表され、政府も動き出した、と19、20日にかけてNHKが報道しました。若者の就職・社会参加をこれほど拒否する日本社会は人間の社会と言えるか、という問題です。
(注)20日政府の「雇用戦略対話」で公表された安定就業者数について、高卒で68%が未就職・不安定就労、就職しても3年以内に辞める。安定就労者は32%程度。大卒・専門学校卒では、未就職、パート労働、中途退学、3年以内離職者を除けば48%、と発表されました。
森岡孝二著「就職とは何かー<まともな働き方>の条件」によれば、若者(15~24歳)の雇用者数は、1992年から2010年へ雇用者750万人から465万人へ激減。その内正規雇用者は594万人から252万人に減り、その分を非正規雇用者が埋めてきたが、2000年から2007年まで250万人台で推移してきた非正規雇用者も2008年から減少し始め2010年213万人へと低下。若者の雇用情勢は一段と厳しくなっています。
2010年の若者の完全失業者52万人、非正規雇用者213万人、求職活動をせず非労働力人口とされながら実は就職を希望する者120万人、合計385万人が失業者、半失業者及び潜在失業者です。正規雇用者252万人に対し、その150%を超える「産業予備軍」が形成されているのです。労働力市場の弱者におとしめられている若者の姿がそこにあります。
野田首相は、若者の雇用、子育てを「消費税増税と社会保障一体改革」の若者バージョンと位置づけ、そのために消費税増税を、と言っています。しかし、若者にとって、賃金が少ない上に家財道具や子育て費用に消費税を2倍取るというのは、雇用でいじめられ消費でいじめられる、最悪の弱いものいじめではないでしょうか。
さらに、「騎馬戦型から肩車型へ」と言う言い方で、若者・生産年齢人数が減り、高齢者数と1対1に近づくことを以て、高齢者に社会保障の削減と費用負担を押しつけ、高齢者いじめを行っています。しかし、若者から高齢者へ、人生は一つにつながって「若者に冷たい社会は、高齢者に冷たい社会」となっているのです。
かつて「若者宿」「若者塾」など、社会(地域)が若者を未来の主人公として育てる取り組みがありました。企業社会が若者の就職・社会参加を拒否している今こそ「若者宿」「若者塾」の運動化が求められると考えます。そのために一肌脱ぐ高齢者を募っていきましょう。
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