雑誌『議会と自治体』7月号、地方自治体のあり方と公務労働ーー橋下・「維新の会」の自治体変質攻撃とどうたたかうか(金子邦彦日本共産党自治体局次長)、この論文が提起していることは重要です。橋下氏登場の背景を次のように述べています。
自公政権が国民の批判を受けて退場する、代った民主党政権は国民を裏切るだけではなく、国民に攻撃をかけてくる。政権交代は一体何だったのかーー。この国民意識は全国共通です。加えて大阪の場合、自公政治がもたらした社会的経済的な閉塞状況、そして、二大政党に対する政治的失望感が、全国より強い。(中略)そこに、橋下徹という強烈な個性が出てきて、自公に担がれて府知事に当選しながら、政権交代必至となった総選挙では民主を応援し、民主党政権が裏切ると、今度は“民主党とたたかう”とまで言う。国民・府民が失望している二大政党に対するアンチテーゼを掲げて登場して、連日メディアに持ち上げられている。
橋下「・維新の会」が国政進出に向けて出した「維新八策」の特徴は、①徹底した新自由主義の構造改革路線②正面からの憲法改正論③大阪モデルの全国化、と指摘し、来るべき総選挙で「台風の目」のように扱われる可能性がある、と警告しています。
新自由主義「構造改革」路線は、小泉首相が「痛みを伴う改革、改革なくして成長なし」と言って推進。しかし、小泉引退後の安倍首相下2007年参院選の自民大敗で、福田、麻生と首相が交代し、「構造改革」路線の「手直し」が図られた(地方交付税上乗せ措置など)。一方、もともと新自由主義構造改革路線の民主党は、政権交代のチャンスと見るや、小沢党首主導で「国民の生活が第一。」と装いを変え、消費税増税の政策を引っ込めた。
民主党は鳩山、菅内閣と交替し、野田内閣では、消費税大増税と社会保障の一体改悪に舵を戻した。これに対して国民は反対の世論を強めているとき、あたかも国民目線で、自民党も民主党も批判しつつ、新自由主義「構造改革」路線を復活、強行的にすすめようとしているのが橋下・「維新の会」。こう指摘し、橋下・「維新の会」とのたたかいの重要性を訴えています。
また橋下氏は、教育基本条例、思想調査、職員基本条例など、人権侵害、憲法違反の疑いがあっても、それを無視して強行し、「憲法に問題あり」と正面から憲法改正論を提起するなど、戦後公務員制度、教育制度の根幹を攻撃し、その変質を狙っています。
こうした、橋下・「維新の会」が大阪でやっていることについて、多くの国民は知らされていません。住民の暮らしを痛めつけ、民主主義をないがしろにし、自治体の使命・役割を歪め、公務員の本来の使命や責務、権利に対する攻撃を強引に仕掛けてきます。これを全国に広げていいのか。大阪での闘いが重要だと訴えています。
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