1960年安保闘争と今回の2015年戦争法反対闘争との違いは、前者が総評動員型であったのに対して、後者は自主参加型で、主権者として声を上げ行動する「市民革命」とも呼ばれています。日本共産党自身も大いに違っています。1960年は占領軍下の弾圧・レッドパージ(共産党弾圧)を経て、分裂・混乱を克服し「統一と団結」を取り戻す過程にあり、「安保共闘会議」にはオブザーバー参加でした。これに対して2015年は、参院・衆院・地方選挙連続躍進で、野党の中での政治的比重を高めていたことと共に、綱領を確定し「革命論」を明快にしています。
1960年当時日本共産党は、ソ連や中国毛沢東一派、それへの盲従党員との論争を経て「自主独立路線」を確立する過程にあり、、綱領草案の全党討議を行い、1961年7月第8回大会での綱領確定に努力中でした。
綱領は「異常な対米従属と大企業・財界の横暴な支配を打破ーー日本の真の独立の確保と政治・経済・社会の民主主義的な改革の実現を内容とする民主主義革命」を「議会の多数を得て平和的民主的に進める」ものとし、党規約で団結し、不断に党勢拡大に努める党づくりを進め、1969年から始まる第一次大躍進を実現しました。
2004年1月第23回大会で、1961年綱領を一部修正・補強し、「民主連合政府綱領」を整理確定しました。これは、資本主義の下で、大企業・財界の横暴を抑え、異常な対米従属を脱却し(日米安保条約廃棄・平和友好条約締結)、経済民主主義を進める革命の政府です。「革命」とは権力移行であり、財界・大企業の利益・対米従属を代表する政治勢力が選挙で敗れ、国民の利益を守る勢力が政府をつくることです。
現在日本共産党は「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」を提唱し、自民・公明・おおさか維新を過半数割れに追込むため、戦争法反対で闘った野党の選挙協力を積極的に進めようとしています。「国民連合政府」は、革命の政府ではなく、大企業・財界支配、対米従属は続きます。「安保法制11法」廃止する国会及び「集団的自衛権行使容認」の閣議決定取消の政府をつくることを目的にしています。
アベ政治が壊した「立憲主義(憲法に従う政府、国会)政治」「個人の尊厳を守る(国は個人の幸福を守るためにある)政治」を回復させ、真の意味で「国民の政府」を実現するのが、国民連合政府であり、それは日本政治史上画期をなすものと考えます。
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