先の衆院選で、野党共闘は「希望の党」などの分断攻撃に抗して前進しました。しかし、共産党は比例で得票数・議席を減らしたことで、「共産党を丸ごと知ってもらう取組が欠けていた」と反省していす。共産党員自身が「共産党とは何か」を改めて考えるようになっています。今年はロシア社会主義革命100周年。「共産党」「社会民主党」「労働(者)党」など呼称が違っても、ロシア革命の影響を受けて世界各国で「革命を目指す政党」が結成されました。その中で、1922年に日本で結成された日本共産党は、今年7月15日で結党95周年を迎えました。
共産党とか、社会主義革命とかいうと、すぐ国名が挙がるのが、「ソ連(現ロシア)」「中国」です。「ロシア」は現在、自ら社会主義国と名乗っていないのに対して、中国は社会主義国を標榜し、今後共産主義社会に進むとしています。ロシア、中国が大国主義、覇権主義の外交・行動をとると、社会主義・共産主義の事業への大きな疑問が沸き起こります。実際、ソ連時代にスターリンがやってきたことは、社会主義・共産主義の理念を捻じ曲げ、専制政治、覇権主義そのものでした。では、社会主義・共産主義とは何か、どの国で実現されるのか、が今問われているのではないでしょうか。
日本共産党は、社会主義・共産主義の始祖マルクスに還り、レーニンの誤りも明らかにしつつ、「資本論」の徹底研究の中から、日本の現状分析と革命路線をうち立て、実践を通して理論を発展させて来ています。その基本文書は、日本共産党綱領であり、約3年に1度の大会決定集です。安倍政権が「人づくり革命」と言っていますが、本来「革命」とは、被支配階級(奴隷、濃度、労働者)が支配のくびきから自らを解放することです。階級視点を欠落させ、技術革新に伴う経済変革を「IT革命」と呼ぶような調子で言っているように思います。
「革命」を「暴力革命」と同義語に捉え、「怖いもの、秩序を乱すもの」と宣伝してきたのが支配階級です。そこには支配階級の利益は被支配階級の不利益になる、という対立矛盾が隠蔽され、支配階級の利益を損なわないようにする意図が強く働いています。 「革命」のを本来の意味は、階級対立の「止揚」(アウフヘーベン=弁証法的用語で、発展の意味)にあります。
「共産党を丸ごと知ってもらう」第1は、「階級社会」という社会の見方ーー科学的社会主義の社会・歴史観を掴んでもらうことではないでしょうか。もう少し言えば、階級とは、生産手段(土地、建物、器械・装置等)の所有をめぐる対立・矛盾であり、生産の担い手(労働主体)が主人公となる社会実現まで(階級的サクセスストーリーと言える)、階級対立は無くならない、と言うのです。原始時代をマルクスは「階級の無い原始共産制社会」と指摘し、人類は、階級社会の発展の中で、拡大させた生産力を基礎に、階級対立の無い社会=社会主義・共産主義へと到達する、と理論的展望を示しました。
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