2018年7月7日七夕は、5,6日から1時間雨量50mm超、24時間雨量200mm超という観測史上最大降雨が続き、「大雨特別警報」が発令されました。特に小田川下流域の真備町地内では、堤防越流・決壊及び排水不良で、町内の幹線道路を含め平地全域が5m近くまで冠水・浸水し、町面積の3割、1200haが水没し、一時陸の孤島化しました。自衛隊などレスキュー部隊でなければ、1階が水没し2階や屋根に避難した住民救出は不可能となりました。(発泡スチロール板と子どもプールを組み合わせた即製ボートで非難した人もいました)
一方、倉敷地区7日の状況は、北部の西坂、生坂、三田の広い田園地帯が水没、中庄地下道も水没し、北バイパスは大渋滞。六間川の水位上昇で周辺に溢れ、見渡す限りの「海」を成しています。福島・羽島、帯江、加須山、帯高、中帯江などへも浸水域が拡がり、倉敷川中流部の天城・藤戸から、粒江・粒浦・新田が、倉敷川両土手だけが高く残り、川も田圃も道も一様な海状態です。吉岡、笹沖、堀南、西中新田でも浸水域が拡がり、下流・吉岡川の滞留が起こっていました。西方面では、中島、大西、西阿知町新田で「海」状態、西阿知地区も冠水・浸水域が拡がっています。倉敷地区どこでも水が溢れ返り、道路・宅地の冠水・浸水が酷くなっていました。
なお、美観地区を含む旧倉敷市街地は、合流式下水道のため毎回浸水被害が発生していますが、今回も、1日早く、6日夜から30cm浸水が起きていて、7日には、水は引いて、どこからか流れて来たクーラーボックスが残されていました。美観地区の汚点、合流式下水道の横溢、浸水被害は、早急に対策を取らなければなりません.なお、分流式下水道でも、道路冠水でマンホール蓋から下水管への雨水流入がありました。道路冠水を防ぐことが必要です。
この豪雨・洪水被害は未曽有のもので、倉敷市で死者50人を超え、甚大な住宅被害は7月14日現在全容がつかめていません。その対策は多面的に探究されなければなりませんが、気になるのは、マスコミに登場した「専門家」曰く「建設省が、高梁川と小田川の合流点を南に下げる」工事を早くしていたら被害が防げた、と述べていることです。洪水対策は単純ではありません。もしも、真備町地内で堤防決壊が起きなければ、どこか他所で決壊・洪水が起きていた可能性があります。本流・支流合流点での水位上昇をどう処理するかは、水利土木工学の要です。抜本的な探求を求めたいと思います。何よりも、小田川が、矢掛町分は県管理で、平坦化工事が進んでいるのに対して、真備町側は、1級河川で国管理ですが、川の中は雑木ジャングルが放置されています。かつては、食糧増産で、川床に稲田をつくり、農家が河川管理していたのを、国が追い出したのです。
最近のコメント