公的年金制度、医療・介護保険制度ーーこれらは、社会保障制度と呼ばれます。一方、年金保険、医療・介護保険に民間会社が参入し、保険商品が売り出されています。公的なものは、保険料が強制徴収され、税金と同じです。しかも、使うときに制約があり、また、利用料が要ります。これに対して、例えば、民間の「がん保険」では、告知を受けた時に、保険金が下りるので医療費が助かります。民間の保険も必要ではないか、と思わせています。
そもそも社会保障制度は、資本主義の下で、疾病、出産・育児などで働けなくなった労働者、失業者・高齢者に対して、国家が、所得保障、現物ないしサービス給付する制度で、1917年ロシア革命により生まれたソビエト(労農)政権が実現した「社会保障権」に基づくーー社会科学辞典)ーーのです。第2次世界大戦中と戦後、各国に取り入れられ、日本国憲法でも、平和主義と共に基本的人権擁護、生活保障が明文化されました。
資本主義が社会的格差を拡大して行く中、社会保障の充実に国民要求が高まり、いろいろな制度が造られましたが、「制度あっても保障削減」「保険あって介護無し」など、国民の苦難の源にもなって、負担増を押し付けられる現役世代・若者の反発・不信を買っています。今回、年金給付で2000万円不足を政府が隠そうとして大問題になっています。賃金・物価変動、現役世代減少を理由に、実質給付減を「制度維持」の名で国民に押付け、すべての国民に月2万円の年金削減を押し付けようとしているのです。
今回参院選の重大争点に急浮上した「年金2000万円不足」問題は、資本主義の矛盾の解決につながる大問題で、日本国憲法実現の重要テーマの一つです。資本主義の問題点と正面から向き合い、その解決に全力で取り組む日本共産党を比例で大躍進させましょう。
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