年金、医療、介護の公的保険制度は、生活保護制度と共に、社会保障制度と呼ばれます。しかし、働く国民(労働者、中小農漁業者、中小商店・企業、勤労市民)のためのものになっていない現実があります。「減る,頼れない年金」「保険あって介護無し」などと云われるように、相互扶助と政府保障による社会保障制度は、高額所得者優遇の保険料・所得税の問題点に加え、現役世代の非正規等低所得者増による賃金総額減少によって相互扶助が危機に陥り、それを補うべき政府保証は、「消費税増税」にリンクさせた、財政支出削減圧力下(税と社会保障一体改革)に置かれています。
年金保険料だけでも年間200兆円(4年間分の支給総額に匹敵)を集め、「運用」と称して株式投資し、日銀を含む公的資金550兆円による株高で大企業・資産家にぼろ儲けさせています。年金受給高齢者夫婦で2000万円不足、総額7兆円不足を認めた安倍首相は、日本共産党が提案した「減らない年金」を「馬鹿げた提案」と言いました。そこには、働く国民のための社会保障制度を侮辱し、大企業・大資産家の儲け優先政治を進めることしか出来ない「アベノミクス経済優先」の本質が現れています。
外交では、トランプ言いなりで、今八方塞がり状態に陥っています。かつて自民党が掲げていた「北方領土4島返還」要求を無きものしようとのロシア協議に前傾していた安倍首相ですが、ロシアから「平和条約=2島返還すれば、アメリカ軍基地がつくられる」として、交渉停止が申し立てられました。そもそも第2次世界大戦で、連合国の間で約束された「領土不拡大原則」を破って、千島列島を占領・併合したのが、旧ソ連邦(現ロシア)です。
それはスターリン独裁政権がやったことですが、実は、スターリンの前任首相、レーニンが第1次世界大戦時、「平和の布告」として「旧ロシア帝国」が強奪した国を無条件で解放したことから各国に広がり、第2次大戦の連合国戦争終結協定に結実したものです。日本共産党は、全千島が日本の固有の領土であり、「領土不拡大」原則の履行を国際社会に求めて行きます。対ロシア交渉では、2島返還後中間的平和条約、全千島返還後平和条約の、2段階解決を目指しています。
社会保障制度でも、領土問題平和解決でも、ロシアにおいて、史上初めて実現したものが、世界に広がったものです。これを引き継ぎ、人類の進歩的制度にして行かなくてはなりません。いま参院選で、そこへの闘いが激しく行われているのではないでしょうか。
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