オリパラ強行の中、コロナ禍が終息せず、逆に感染が急拡大すると共に、若年層の感染急増、重症化の進行、学校・園での子どもたちへの感染、「ステイホーム」での家庭内感染の広がりが国民の不安を増大させています。2学期の学校再開が、クラスター発生の引き金になることが懸念されます。
感染防止対策が行き詰まっているように見えますが、これまで何をやって来たのか、客観的に反省・評価し、これからの防止対策、終息への道を明らかにし、政治をその方向に進めて行くことが求められます。
安倍・菅政権のコロナ対策が、科学を無視し、説明責任果たさず強権頼み、「自己責任」押付けで入院治療受けられない自宅死が出現し、25%まで下降した内閣支持率でも、政権にしがみつこうとしています。しかも、コロナ感染終息への徹底議論と政策発動を求める野党要求に対して、政府・自民党は国会開会に応じず、総裁選挙での権力争いに狂奔しています。急ぐべきは、国会開会であり、コロナ感染終息・国民の苦難軽減に本格的に踏み出す政権交代を争う総選挙ではないでしょうか。
コロナ禍の中で、政府の姿勢を変えさせたことがあります。第1は「生活保護は権利」「ためらわず申請を」「扶養紹介は義務でない」との答弁を出させました。コロナ禍で仕事が無くなり生活困窮者広がる中で、大きな希望を与えました。
第2は、女性差別発言の森喜朗JOC元会長を辞任に追い込み、感染予防で三密を避けるとして、少人数学級が実現し、コロナ禍失業では女性が多かったことの解決に取り組む中で、ジェンダー平等、個人の尊厳の前進が世論となって来ました。
第3は、菅政権のワクチン接種一本鎗の対策が、ワクチン供給の混乱・中止で、大幅な遅れが出ました。PCR検査が「いつでもどこでも何回でも」無料で受けられる態勢づくりーー広島県など県単位の取組みはあるーーは、菅政権の当初の取組拒否姿勢で、これも大幅に遅れています。大規模検査、ワクチン接種普及が進まない中、感染防止のため生活変容を進める経済補償は、内容も不十分な上、飲食店への税務行政での脅迫をチラつかせるなど、憲法違反の強権政治では国民の協力は得られません。
コロナ禍で、一日も早い終息を目指すと共に、政治と社会の在り方に新しい光が当たる必要があるのではないでしょうか。「ケアに手厚い社会」構築です。国公立の医療施設削減、後期高齢者医療費値上げを止め、感染症対応行政・医療機関を早急に拡充する必要があります。少人数学級は、学校規模の適正化(大都市化政策の見直し、自然との共生目指す第1次産業振興及び均衡ある産業発展を含む大課題!)をもって完結するが、多様性や個人の尊厳の尊重を重視する、広い意味の「ケアに手厚い社会」づくりの一環です。
「災い転じて福となす」の諺は、人間の努力方向が、災害の中で誰の目にもはっきりと見えてくる、と云うことではないでしょうか。また、そのように災害を捉えることが必要です。コロナ禍から、正しい教訓を導き出し、社会づくりに生かしていく事が、これからの政治の求められると思います。
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