2011年国土審議会長期展望委員会が発表した「総人口の長期的推移」は「2004年をピークに、今後100年間で100年前(明治後半)の水準に戻って行く。この変化は、千年単位でみても類を見ない、極めて急激な減少」と警告し、2030年1億1千万人台、2050年9千万人台、2100年には4千万人台に急激減少と予測しています。世帯構成も、「夫婦と子」と云う家庭の姿が減少し、「単独世帯」が、2030年37%、2050年42%と増加し、その内高齢者単独世帯が4割から5割以上へと予測しています。
現在日本列島の約5割を占めている居住地域は、2050年には約20%が無居住化し、広域ブロックごとでは、北海道及び中国、四国がそれぞれ52.3%、24.4%、26.2%と高い数字を示しています。つまり、人口減少と単独世帯増、無居住地域の拡大が急速に起きて行く、と記しています。これを基に、政府は「地方中枢拠点都市」「定住自立圏」等の広域連携を地方自治に押付けてきていますが、人口減、単独世帯増、無居住地域拡大の原因究明と対策を明らかにすることが必要ではないでしょうか。
2030気候危機打開戦略では、脱炭素・省エネへの目標と対策が打ち出されていますが、「水と緑と土」の再生で二酸化炭素吸収源増大を進める、農林漁業・第一次産業振興こそが、人口減、無居住化への根本対策になるのではないでしょうか。気候危機は、利益至上主義を推進理念とし、自然破壊、大量生産、大量消費、大量放棄を続けて反省しない、資本主義的生産様式が根本問題としてあります。その下で、国内大企業への民主的規制、及び、世界経済における自国経済優先で軍事大国化・覇権主義の勢力に対し国連による規制を有効にする、などの資本主義枠内の国内的・国際的取組が重要です。
2021年7月、農業と水防を考える会が発足しました。気候危機克服を目指す取組に大同合流すると共に、2018年西日本豪雨災害で真備町等水害の原因究明と根本対策を求め、同時に、各地の浸水被害の実態調査及び根本対策に向けた取組を交流・学び合い、真の復興に向けた住民運動に繋がる活動を推進して行きたいと思っています。
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