7.27衆院厚労委児玉龍彦東大アイソトープ総合センター長の問題提起が波紋を拡げています。チェルノブイリ原発事故の健康影響調査を元にした発言「福島原発で放射性セシウムを被曝した人では、ぼうこうガンのリスクが増えるおそれがある」です。
この発言をとり上げた8月29日付日経は「専門家の見解割れる」と報じ、唐木英明日本学術会議副会長を登場させて「100ミリシーベルト以下の低線量被曝の健康への影響は科学では完全に解明しきれていない」と言いながら「100ミリシーベルト以下のリスクはそもそも小さいという前提に立ち、放射線の影響だけを怖がるな」と矛盾したコメントを掲載しています。
文科省は「子どもたちは、年20ミリシーベルトを下回れば平常どおり活動できる」と発表したが、反発が大きく「年1ミリシーベルト以下を目指す」との目標提示に変えました。
厚労省は、農水産物の食品衛生法にもとづく暫定基準値を設定。半減期約30年の放射性セシウムは、1kgあたり飲料水、牛乳は200ベクレル、野菜、肉、魚介類は500ベクレルとしています。しかし、その50分の1以下のものだけを詰めた「子どもたちへの安心野菜セット」が飛ぶように売れていると言います。 大手スーパーには、オーストリア産人参、ニュージーランド産玉葱など輸入野菜の供給が増えている、と商社は言っています。
「安全な食料は日本の大地から」「地産地消」とがんばってきましたが、被災地だけでなく、日本の食料供給そのものが、今や危機に瀕しているのです。
8月29日付日経は、続けて「放射線を巡る相談が国民生活センターで急増」として、放射性物質から放射線が出ることについて「人間が生み出した技術で食い止めることは不可能」(武蔵大学薬袋佳孝教授)とのコメントを載せ「原子核での現象、技術での制御不能」と報じています。
安全・安心の放射性物質量などは存在しません。少なければ少ないほど健康への影響は少ないのですから。原発ゼロの実現、放射性物質の除染・密封管理しか、安心・安全はないのではないでしょうか。
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