核兵器禁止条約締結運動が世界で取り組まれ始めました。日本政府は「条約に署名しない」と表明。核保有国とその他の国との対立が激化するから反対、と言い、溝を埋めるのが日本の立場と、言い繕っています。核兵器廃絶という、人類を破滅から救うための、市民と非政府組織、各国政府が力を合わせる運動に背を向け、「核の傘」軍事同盟に頼る哀れな姿を露呈しました。むしろ、日本が唯一の戦争被爆国として、真っ先に取り組むべき課題が、核兵器廃絶ではないでしょうか。国連会議でも、この運動には、被爆者の運動が大きく貢献している、と語られました。日本の市民と非政府組織は、これを歓迎し、核兵器廃絶への希望が広がっています。
日本は、アジア・太平洋地域での侵略戦争を反省して定めた、戦争放棄とそのための戦力不保持を憲法に規定した国として、核兵器禁止条約・地域平和共同体づくりに特別の責任があります。
日本の外交が、アメリカ言いなりを止め、核兵器禁止条約締結に取り組む、との方針転換に進めば、北東アジアの情勢に大きな影響を及ぼします。核保有国を目指す北朝鮮の手を縛ることに繋がります。
国と国とが領土問題等で、覇権主義的な対立を招いたり、軍事同盟・共同軍事訓練など軍事力による外交がしばしば行われています。しかし、軍事力をバックにした外交は、国の勝ち負けが関わり、本質的・恒久的解決にはなりません。紛争当事国それぞれの市民や非政府組織、政府組織が対等平等に交渉・話合いをする、今回の国連総会のような場が必要ではないでしょうか。核兵器禁止条約締結から核兵器廃絶という、人類の悲願への取り組みが始まった今、戦争被爆国の平和外交、日本の新しい外交が待ち望まれます。
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