2018年西日本豪雨災害対策として倉敷市が計画しようとしているのが「倉敷市雨水管理総合計画(案)」のようです。しかし、豪雨災害については、伊東香織倉敷市長は原因究明をやらない、と議会答弁していますので「原因究明無しの対策」であり、被害実態についても「床下浸水1件」報告書で済ませており「机上の計画」の感は拭えません。
まず、「外水はんらん」と「内水はんらん」とに分け、「外水はんらん」は河川事業等により対応としてカットし、「内水はんらんを対象に浸水対策を行う」とした上「市街化区域を対象とする」とし「市街化区域外の住宅地のある排水分区も対象とする」としています。農用地の浸水対策は対象外になっているのでしょうか。
また、段階的整備と称して、倉敷市内を97分区に分けた上、床上浸水被害の実績のある分区(真備町等)28分区は外水起因浸水として切り捨て、69に絞った上に、30分区を当面ソフト対策だけ、として、39排水分区をハード対策対象としています。こうした対象地域縮減は何を根拠に何のためにするのか、被害実態から選定したのでないことは明らかです。真備町災害の主因が、堤防越流・決壊など外水氾濫であっても、3~5日間泥水滞留による被害拡大は「内水氾濫」状況、と指摘する報道が多くあります。
被害実態調査を全庁的に実施し、水害防止への整備計画見直しが求められます。その中で、合流式下水道の問題点について検討が必要ではないでしょうか。即ち、合流式では汚水と雨水が区別されず、貯水槽で満杯となると「処理されない生のまま」河川放流される、という深刻な問題点があり、さらに、分流方式でも、道路冠水で下水マンホール蓋から雨水が浸入し、家庭のトイレに逆流・噴出することへの対策も忽せにできません。さらに、田圃・用排水路、溜池、低地等の保全、雨水貯留槽、個別・集団合併浄化槽まで視野に入れた、総合的浸水対策の検討が必至ではないでしょうか。
都市計画においても、浸水対策が実効性のあるものでなければ、「優良市街地形成」を目指す土地区画整理事業は成立しません。従って都市計画を所管する建設局が関わるべきです。さらに農林水産部を所管する文化産業局にも、浸水被害対策の視点で抜本的対応が求められ、「田んぼダム」だけでお茶を濁すことは許されません。
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