11月15,16日日本共産党第7回中央委員会総会が開かれ、第27回党大会決議案が報告されました。来年1月15日からの全国大会開催に向け、全党討議が始まります。支部総会討議をスタートに、代議員選出で地区党会議討議。代議員選出で県党会議討議。全国大会代議員選出で全国大会討議が展開され、役員改選などが行われます。
決議案第1章は、「新しい政治対決の構図と野党連合政権」と題して、対決構図が「自公と補完勢力」対「野党と市民の共闘」となり、「日本共産党を除く」という「壁」が崩壊した、と指摘しています。その上で「日本の政治は、歴史の本流と逆流が真正面からぶつかりあう、戦後かってない激動的な新しい時代に入った」としています。
新しい時代を開いた力はどこにあったか、と問いかけ、第1に、安倍政権の暴走政治に対抗する新しい市民運動の発展。参院選で野党共闘が実現。第2は、日本共産党の政治的躍進。共産党が「私たちも変わらなければならない」と思い定めての、野党間選挙協力が出来た根本に、党綱領にうたう「統一戦線による社会変革」の生命力がある、と言い切っています。
「異常な対米従属」「異常な財界中心」という「2つの異常」を特質とする自民党政治が行き詰り、安倍政権は民意無視の強権政治に頼るほかに統治する術をもてなくなった、と断罪しています。そして、安倍政権を打倒し、野党連合政権を、と党大会の名で呼びかけています。
第2章、世界の新しい動きと日本共産党の立場、と題して、「世界の構造変化と核兵器廃絶にむけた画期的な動き」として、2016年10月27日国連総会第1委員会で、核兵器禁止条約の締結交渉を来年開始する決議案が採択されたことを挙げています。この前向きの激動をつくた力は「核兵器の無い世界」を目指す、諸政府、市民社会の運動の合流にあり、核保有大国と追従者を追い詰めている、として、「ヒバクシャ国際署名」に力を尽くす決意を表明しています。
平和の地域共同体の発展として、東南アジア諸国連合、中南米カリブ海諸国共同体に触れ、①あらゆる紛争の平和解決②大国の介入を許さず自主性貫く③非核地帯条約を結ぶ、という共通点を挙げています。
アメリカについては、アフガニスタン、イラクへの軍事的覇権主義が、泥沼の内戦、テロの拡散、過激武装組織ISを生み、大破綻していること。アメリカ社会が、グローバル資本主義、新自由主義の経済政策の下で、格差と貧困が拡大し、中間層が没落し、深刻な矛盾に陥っていること。トランプ大統領当選はその反映だ、と断じ、今後の政策提示を注視する、としています。
中国について、①P5・核保有大国の一員として10.27国連決議に反対するなど、核兵器に固執し進歩・平和勢力とは言えない②東シナ海と南シナ海での力による現状変更は許されない③2016年アジア政党会議での横暴な振舞い④日中両党の関係改善についての合意に反する態度、を新しい大国主義・覇権主義の表れと断罪し、その是正と国際社会の信頼を得る行動を求めています。
ロシアプーチン政権によるクリミア併合を、スターリンの覇権主義的な領土拡張の誤りの復活と断じ、この政権との日露領土問題解決は、第2次大戦の戦後処理の大原則(領土不拡大)に立ち、誤りを是正する立場で交渉すべきと提言しています。
こうした大国主義・覇権主義に未来は無い、とキッパリ指摘する一方で、欧米では、格差と貧困の拡大に反対する運動、イラク戦争反対の運動が合流し、選挙を通じて社会変革を目指す、新しい潮流が生まれている、と希望を語っています。
欧州連合EUが緊縮政策に移行する中、ギリシャ、ポルトガル、スペイン総選挙で緊縮政策の転換を求める市民運動と連帯した政党が勝利、イギリス労働党首に「戦争阻止連合」のコービン氏が当選し、また、アメリカ民主党大統領候補選挙で、市民運動の支持を受けたサンダース氏が活躍するなど、新しい市民運動と結びついた社会変革の動きを指摘しています。
日本共産党の野党外交では、欧米の進歩的勢力との交流と連帯を抜本的に強化し、発達した資本主義国でのたたかいを相互に交流し、教訓を学び取ることは、日本の社会変革の運動の発展、世界の進歩的運動の発展の上で大きな意義をもつ、としています。
第3章は「安倍・自民党政権を打倒し、新しい日本を」として、安倍政権の危険と、それを打ち破る可能性を明らかにしています。①立憲主義の破壊ーー国家権力が憲法を無視して暴走を始めている。かつての自民党がもっていたある種の寛容さ、多様性など、批判を吸収・調整する力を失い、灰色のモノクロ政党へと変質した、と断じ、②野党と市民が国民の願いに応える旗印を掲げ、連帯してたたかえば打ち破れる、と言っています。
以下「戦争する国づくりを許さないーー日本共産党の平和の提案」「格差と貧困をただす経済民主主義の改革を」「原発再稼動を許さず、『原発ゼロの日本』を」「沖縄をはじめとする米軍基地問題ーー全国の連帯を訴える」「憲法改悪を許さず、憲法を生かした新しい日本を」「侵略戦争を肯定・美化する歴史逆行、排外主義を許さない」「日米安保条約、自衛隊ーー日本共産党の立場」「統一戦線の画期的発展と今後の展望について」とたたかいの展望を示しています。
第4章「国政選挙と地方選挙ーー野党と市民の共闘の前進、日本共産党の躍進を」では、「東京都議会議員選挙の勝利をめざして」「地方政治をめぐる政治的焦点、地方選挙の躍進をめざして」「新しい情勢にふさわしく選挙方針を抜本的に発展させる」と選挙方針を提起しています。
第5章は、新しい統一戦線を推進する質量ともに強大な党建設を、と題して「『党勢倍加、世代的継承』の達成、『党勢拡大大運動』の成功を」「いまなぜ党建設かーーその歴史的意義について」「どうやって党建設を本格的な前進に転ずるか」「全党あげて労働者階級、若い世代のなかの党づくりに挑戦しよう」「逃避を要にした党財政の確立・強化を訴える」と展開しています。
第6章は「95年の歴史に立ち、党創立100周年を展望する」と題して、「党創立95周年ーー歴史が決着をつけた3つのたたかい」「党創立100周年をめざしてーー野党連合政権に挑戦を」と壮大なたたかいの展望を示して決議を結んでいます。
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